そう、俳句の記されたクッキー、それが句ッキー。
このスタンプを使って、クッキーに俳句を刻んで、焼いてみることに。
まずは、神野宅のチャレンジ。
お、いい感じ。
ひらがなの散らばる食卓。実はすでに「と」と「を」が行方不明です。
一字ずつ押していきます。植字のごとく。だんだん目がちかちかしてきます。
さて、あとは焼くだけ!
焼けてる、焼けてる……
できあがり!
……ん?
クッキーがふくらんで……
文字が……埋もれている……
どうやら、ちょっと分厚かったようです。
一夜明けると、少ししぼんで、多少、読みやすくなっていました。
〈花野ごと束ね祝うよ詩なくとも る理〉
〈永遠が欲しい時雨が窓濡らす 華子〉
…なんとか読めます?え、読めない?
〈月とペンそして一羽の鸚鵡あれば 高柳克弘〉
第二句集『寒林』刊行記念に焼いてみました。……読めます?
え、読めない?
という失敗を前提に、今度は江渡家でチャレンジ。
あまり大差ない感じ。読めない。
一応割れないようにバター少し多めにして薄めにしたんですけどね。
クッキーの問題なのか写真撮る腕の問題なのか。
ん、多分両方問題があるな。
〈紫陽花や笑つてほしいから笑ふ 華子〉
そして、野口家で、最終チャレンジ。
おっちょこちょいによりいっぱい割れちゃいました……。
でも、いい感じに焼けました♪
さてさて、焼いた句ッキーには、句ッキーを贈る相手への句を刻みました。
生後二か月の息子へ
〈君それは虹見るまなこ波聞く耳 紗希〉
この春に定年を迎えた父と、二人三脚で来た母へ。
〈春の虹にみとれる時間これからは 紗希〉
江渡家では長女にプレゼント。(作ってる最中も横で一生懸命邪魔してくれました)
〈紫陽花や笑つてほしいから笑ふ 華子〉
なんと速攻割られるという悲劇。
でも、美味しい美味しいと食べてくれましたよ。(いちご味にしてみました)
る理は、裁縫の好きな妹・ま綾へ。
〈春雨や刺繍の裏の賑はしく る理〉
撮影は気持ちよく晴れた屋外にて。
要するに、「俳句ッキー(はい、クッキー)」。
俳句を刻んだクッキーを、誰かに贈るところまでが、句ッキー企画、なのでした。
最後に、スピカの読者のみなさんへ。
よ、読めない……(ごめんなさい)
焼く前のほうが、まだ、読めます。
スピカより海馬へ光届け、春 (スピカ編集部より)