2017年7月30日

分けあった西瓜を落とし笑いあう

西瓜を買ってきた。梅雨が明けて、暑い夏のせいである。家からいちばん近いスーパーに行き、6分の1に切ってある西瓜を380円で買う。家に帰ってさっそく切り分け、先の尖った部分をうちの10歳の犬にあげた。そのあと、皮に近い部分を10歳の犬、まろんちゃんにあげると、一度口に入れて、ぺろっと吐き出したので驚いた。甘いところを食べたあとで、おいしくなかったのだと思う。
映画のなかの雪が本物だったらいい
という句を以前作った。映画『横道世之介』(2013,原作 吉田修一,脚本 沖田修一、前田司郎,監督 沖田修一)を観て、作った句だった。『横道世之介』は1987年を舞台にした青春映画である。長崎から上京した18歳の横道世之介は、お人好しで、天然で、図々しく、空気は読めない。2時間40分あるけど、不思議と長さは感じない。もっと入れたかったシーンがあって、短くして2時間40分に収まったのだと思う。ヒロインの祥子ちゃんと初めて言葉を交わすのは、映画が始まって48分後のことである。世之介が「横道世之介です」と言うと、祥子ちゃんは、大笑いして「素敵なお名前、韻を踏んでい
らっしゃるのね」と言う。彼がいなくなったあとも、彼のことを思い出してきっとみんな笑ってしまうような人柄だった。
この映画を観て、私は得をした、と思った。画面越しであったとしても、世之介さんの青春を知ることができて、よかったと思う。