2017年2月28日

つばくらがひがしを置きざりにすすむ

はじめに。かなり季節を先回りしてしまいますが、この句はつばくらだと思ったのであえて推敲はせず、ここに記しておこうと思います。

ーー
東京で俳句を書いている。けれど、東京で生まれてはいないし、東京で育った訳でもない。
けれども、暮らしている以上は東京について考えなければならないだろう。昨年の秋くらいに、神保町の焼きそば家さんを目指しながら、ふと、成田出身の女の子と、くるりの「東京」について話した。

成田「くるりの東京ってわからないよねー。」
高知「え、どこが。」
成田「全体的に共感性ないじゃん。」
高知「え?!ありまくりやろ!!」
成田「ないない。」
高知「なんでないよ。」
成田「東京って頑張れば自力で行ける所やん。」
高知「成田のくせにシティーガールやん。」
成田「シティーガールではない。あと成田馬鹿にすんな。でも一応電車乗れば行けるし、東京。」
高知「いつから?それ。」
成田「小学生ぐらいやと親に連れてってもらえたしな。」
高知「お出かけ感覚か。」
成田「そうそう。」
成田「あと、東京に出ても変わるって思わんしなぁ。」
高知「東京タワー見て、私東京に居るんだな、みたいなのって無いわけ?」
成田「無(ム)」
高知「夕焼け見て、くるりの東京思い出すとかもないのか……。」
成田「ないな。逆に上京してきた人、くるり好きなのなんなの?」
高知「え、東京、いいじゃん。」
成田「だからどこが。」
高知「昔のこと思い出したり、ない?自分が一人で暮らしてて色々考えるじゃん。」
成田「せんな!」
高知「東京出てきて変わったなぁとか。出てきてよかったなぁみたいなのとか。」
成田「だから、近いからさ。高知海しかないじゃん。遠いじゃん。だから、思うんやろ。」
高知「そっか。」
成田「え、焼きそば屋終わってんじゃん。」
高知「うそ。」
成田「どこ行く?」
高知「うどん。」
成田「混んでんだろ。」
高知「じゃあ、おまかせで。」
成田「さぼーる。」
高知「東京っぽい。」

映画の中だった東京。遠かった東京。暮らしている東京。むかしオリンピックがあって、もうすぐひらかれる東京。3年目はこの街で何を感じながら暮らしていくのだろうか。大きな波がやってきた街を置き去りにしながら、この街は今日も進んでいく。遠くで誰かが死んでもこの街はあり続けるのだ。

君が死んでも街だよ。