ぎょぎょ、もくもくもく16

2013.9.14青磁社刊行
『魚目句集』より。

僕、パスポート持ってないや。

ってな話になった時、そもそも行きたい国なんてあるの?と聞かれ…

???

ぎ、ギリシャ、空が青いから…。

と答えました。32歳の答えとは思えませんね。

外国に行きたいと思ったことがほとんどないため、全く行きたい国が思い付きませんでした。

行かないより、行った方が良いのでしょうから、行きたいなぁ、といつか思えたら良いなと。

とりあえずは、近江や奈良に、行きたいなぁ。あとは四国でも東北でも、とぼとぼと、歩いたら楽しいだろうなぁ、とか。

『薪水』の続きより。

水ぬるむ錆びゆくものは塊に

なんだか塊に。

(みづかき)のへたへた坐る春夕べ

あれは確かにへたへた。可愛いんです。

法然のふくふくの指蝶の空

ふくふくで、あって欲しい。

鉄を打つ湯気かけむりか夏蓬

色々むわっと。夏らしい。

一人より二人さびしき墓掃除

大人の墓掃除は無言。

昼顔やもののにほひの手にのこり

おのののか的に目に面白い句。

なほのびる葛に夜長の畳かな

だなぁと眺めつつ。

榾の火のななめに横にたくましき

いきいきと火。

眉白き人が人呼ぶ針まつり

白眉のイメージがあるのか、清潔な感じがする。

ふと馬臭すすきは花となりにけり

ふと馬の。

掛けてはや氷となりぬ鼬罠

すぐにきんきん鼬罠。

うに食べて日の出月の出絵に遺し

ごらん世界は美しい、そしてうには美味い。

鮎ずしに奈良は夕べとなりにけり

あれは頭が付いている方が嬉しい。

いちにちの終りの空や泥鰌鍋

すごく美味しいわけではないけれど、疲れると無性に食べたくなる泥鰌。

青空や三河の国の餅の音

三河あたりは餅が似合う。この青空はいい気持ち。

さて、次回より魚目さん最後の句集です。

じゃ

ばーい