1961.9.20 春潮会発行
上野泰句集『泉』より。
友だちと寄席に行ってきました。
寄席は良いです。同じ型なのになぜかスベる前座、なんとも言えないマジックの面白さ。古典の本格派、爆笑新作派、噺家にも色々居るわけで、一日飽きずに笑わせてくれます。
あぁ、もう、心がしんどい、腐ってきた、世は絶望だ、と思っている方、大丈夫、全然大丈夫。日本には、寄席があります。
騙されたと思ってぜひ一度寄席に行って下さい。
えーと、上野泰句集『泉』をゆっくり読んでいきます、変でとっても素敵です。
爽やかに熱帯植物研究所
何がどう、爽やかなんでしょう。
日短か遊覧バスにせかせのせ
それそれ、どんどん。ナイスな上五。
富めるとも心貧しき木の葉髪
富みたい。
鉄棒の芯の如冷え来りけり
冷た。
泣初の涙がゆれて笑ひけり
好きな句です。この「ゆれて」がゆれて見えるんです。
子ら作りたりし加留多をとりにけり
身近に幸せはある。
うすものの如くまとへる寒さかな
ひんやり感。
おそろしき役所の炭の使ひぶり
お役所様は。
傷もまたかく育ちつつ大夏木
これも良いな、夏を感じます。ぎらぎらと太陽。
行く年や仕事大きくなるばかり
そういうもの、色んなことが終わらない。
其の道の犬をおそれて入学す
行けばわかるさ。大きめのワン。
今日はここまで、面白いのでゆっくり読んで行きましょう。
あっつい日は、こんな楽しい句集がいい。上野泰は疲れない。
じゃ
ばーい