2016.7.9 ふらんす堂刊行
岡野泰輔句集『なめらかな世界の肉』より。
実家の尾道に帰ってみると、暑い暑い、ものすごーく暑い。松山、今治に日帰りの旅をするとこれまた暑い、空気がモワァと暑い。岡山城に行ってみると汗が止まらない。
まだ、東京の方が暑くないかなと思ったけど、やっぱり暑い。
夏は、あっついなと。僕は八月生まれだけど、夏が一番苦手、一番好きなのは秋で、次は冬。空気が澄んでないと、なんか調子が出ないんですよね。
早く、秋らしくならないかなぁ。
『なめらかな世界の肉』の二回目です。
恋愛や月の裏側いつも裏
うまくいかなかったり、いかなかったり。
翁とも桃ともつかぬもの起ちぬ
すっくとナニカ。
金風や手に触れるものみな砂に
サイババの奇跡。
内装がしばらく見えて昼の火事
昼間のうっそのような火事。
古墳から木が生えてゐる四日かな
ひょろと、にょろと。四日に良い味がある。
宇宙船錆びるともなく浮くともなく
どら焼きみたいな旧式の。
雛壇をみんなそろつて降りてくる
自由時間はみんな寝てから。
鉄人の25号までは毀れ
衣笠ではない方の。
滝の上に探偵が来て落ちにけり
静かに真っ直ぐ落ちる。泰輔さんの代表作の一つか。
十薬やここに淋しい男の子
思い出の中のような、そんな感じもある。
句数が多いので、ゆっくり楽しんでいきましょう。ジワジワと、面白いはずです。
じゃ
ばーい