昭和44.4.20 津軽書房刊行
『定本 増田手古奈句集』より
俳句はだいたい電車の中で作っています。なので、時々は意識して散歩をしたり、出かけたりするようにします。
一人で植物を観察しようと思い、都内の庭園に出かけました。どうもその庭園、俳人だらけみたいで、皆句帳を手にしつつ季語がどうたらこうたらと言いながらとぼとぼと歩きまわっています。
僕が思っているよりも、俳人って多いのかもしれません。
僕は携帯電話に俳句を打ち込むので、俳 人達に俳人だとバレることはありません。バレても良いんだけど、いや、やっぱり嫌だな、お若いのに、関心関心とか言われるので、やっぱりバレない方が良い。
手古奈さんの二回目です。
茶摘女の帰り仕度やかなたにも
思ったより広く、たくさんの。
休らふや木耳生えし倒れ木に
休らうよ。柔らかな上五。
スケートや底なし沼も夏のこと
そして冬に。
椎の花こぼれて水の暗さかな
静かな、水のある場所。
マント着て紅葉の客や滝の前
伊豆あたりの、古き時代の。
探梅の漸くここに一木かな
結構探った。
秋晴や汽船を下りて汽車に乗る
まだまだ楽しい。いい日、秋晴。
みちのくの餘寒厳しき雛かな
雛のお顔も厳しく、美しく。
山の温泉や夕鶯のいつまでも
二回目の湯へ。そして夜また入り朝も入る。
今回はこの辺で。
じゃ
ばーい