溺るるばかり蛇笏かな⑥

H.28.6.25 角川ソフィア文庫

『飯田蛇笏全句集』より

 

小学生達がヴァイオリンを演奏するのを見る機会があり、全然僕の子どもでもないし、友だちの子どもとかでもないのですが、幼い子ども達が頑張っているのをみるのと、美しいなと感じました。

大人は汚いっ!とは反抗期の子供が使う常套句ですが、まぁ、それは人によるんじゃないかなと。だいたい汚いかもしれないけど…。

が、子どもはやはり、だいたい美しい。そんな気がしました。

では、蛇笏の続きを。

果樹園に積む石ありておぼろ哉

果樹園が不思議な世界に見える。

大酔のあとひとりある冬夜かな

そんな夜も。空は真っ暗。

くれなゐのこころの闇の冬日かな

人に告げざる色々なこと。

白菊のしづくつめたし花鋏

世界が一瞬にして清潔な。

おっ、「山盧集」は終わってしまいました。やはり1700句ぐらいあると時間がかかりますね。続いて第二句集「霊芝」ですが、前半の500句は前句集と重複する部分がありますので、昭和7年から読んでいきます。

秋の昼書にすがりたる命かな

全てのエネルギーを使い。

青草をいつぱいつめしほたる籠

やがて死ぬ命へ。青草の清潔。

くろがねの秋の風鈴鳴りにけり

出ました、代表句。秋には秋の風鈴の音。

音のして夜風のこぼす零余子かな

上五がうまいなぁと。不思議な世界へ繋がるような上五。

河童祭山月これを照らしけり

あぁ芥川。山月が蛇笏のよう。

ではゆっくり読んでいきましょう。

じゃ

ばーい