溺るるばかり蛇笏かな⑧

H.28.6.25 角川ソフィア文庫

『飯田蛇笏全句集』より

白湯をざぶざぶ飲みながら禁酒生活も五日目となりました。

手帳に毎日体重を書き込み、何を食べたかを書き込む。

俳人のそのほとんどは痛風になるかもしれないけれど、僕だけは助かりたい、との浅ましい志を持って、再び好きに食事が出来るように、白湯をざぶざぶ飲んでいるのです。

おそろしいことに、最近白湯が美味しくて美味しくて……。

「山響(こだま)集」より。

聖樹灯り水のごとくに月夜かな

滑らかな月夜。

草川のそよりともせぬ曼珠沙華

しっかりと立つ曼珠沙華。

白樺にかなかな鳴きて大花壇

広々しつつ清潔な。大花壇はおもいきった下五。

富士渡し姉妹の尼に浅き春

渡りましょ、ええ、渡りましょ。浅春の光がきらきら。

蒟蒻の咲く薬園のきつね雨

薬園とは良き言葉。

緑金の虫芍薬のただなかに

緑金に存在感がある。

焼肉にうすみどりなるパセリかな

肉うまし、パセリ美し。

秋の蜂巣を焼く土にころげけり

敗戦の蜂。秋だけによけいかなしい。

冬いちご摘み黄牛(あめうし)を曳く娘かな

素朴で神聖な。

まだまだ続きます。

じゃ

ばーい