H.28.6.25 角川ソフィア文庫
『飯田蛇笏全句集』より
結婚後少なくなったけれど、たまには一人旅を、ということで出かけることもあります。
どこに行こうかと悩むのが結構楽しい。一人で行く場所の候補は「僕が行きたくて、妻が行きたくないところ」となります。
うーん、うーんと考えて出て来る答えはだいたい決まっていて、①城②墓③博物館あたりとなります。
悩んだ結果、一人小田原城後、北条氏政のお墓へ行ってきました。
北条氏政のお墓、駅のすぐ近くですのでオススメです、商店街の細い路地に、ぽつんとあるところが印象深いです。
では蛇笏の続きを。
腰縄の刀いかつくて鮑取
いかつい人のいかつい刀。
陶に似て窓のアルプス聖母祭
陶に似て、素敵な上五です。蛇笏の句集は言葉の使い方がとても勉強になります。
真つ赤なる涅槃日和の墓椿
あかあかと。
師を追うて春行楽の女づれ
うふふ、あははと。春らしく。
やはらかに月光のさす白薔薇
波のような光と、凛とした白薔薇と。
日輪にひびきてとべる薔薇の虫
薔薇の虫が、ぶーん。なんだろう、薔薇の虫。
風邪の子の餠のごとくに頬豊か
白く、少し赤い頬。
社会鍋守る娘にたれも惚れざりき
蛇笏全句集読む楽しみの「そんなこと言うなよ」俳句の一つ。作家の印象は名句だけ読んで決めつけてしまっては損で、やはり時間はかかるけれど全句を読んだ方が面白い。
次回より「白嶽」に入ります。
じゃ
ばーい