溺るるばかり蛇笏かな14

H.28.6.25 角川ソフィア文庫
『飯田蛇笏全句集』より。

毎年12月31日まで仕事です。

嫌だなぁ、辛いなぁ、眠りたいなぁ…、とか考えながらクラクラと働いて、31日もさくっと終わっていきます。なのでお正月を待つ楽しさはほとんどありません。

頑張って働くから、お正月よ、どうか楽しくやって来て下さい。

『春蘭』より。

草川のそよりともせぬ曼珠沙華

紅だぁ。今年の紅白はだらだらとみたい。

炉火たのし柴もて鍋の芋さしぬ

ぷすり、うむ。ぷすり、うむ。楽し。

秋の絵師ひもじからざる羽織きぬ

まぁまぁ売れているらしい、絵師。

春あさくやくざを泊むるはたごかな

お泊りになっていますが、お気になさらず。

けふもはく娑婆苦の足袋のしろかりき

けふはけふの娑婆苦。

くちふれて肉ゆたかなる桃果かな

食べ応えある。

秋の蟬蟹にとられてなきにけり

ぎゃ。

ころがりてまことに粗なる落葉籠

まことに粗。

かりかりと凍雪をはみ橇をひく

蟷螂でないかりかりも良いなと。

三月の雲のひかりに植林歌

植林歌に希望のようなものがある。

花びらの肉やはらかに落椿

有名句ですね。ちょっと気持ち悪いぐらいにリアルな質感。

肉親の表札古ぶ雪の門

きっと、大きな屋敷の。

兜虫ふみつぶされてうごきけり

ぎゃあ。

いわし雲大いなる瀬をさかのぼる

ぐんぐん行く。

次回は『雪峡』より。

じゃ、今年もありがとうございました。

また、来年。

ばーい