溺るるばかり蛇笏かな15

H.28.6.25 角川ソフィア文庫
『飯田蛇笏全句集』より。

明けましておめでとうございます。

12月31日から1月5日までずーっと妻の実家にいました。

洗い物も洗濯も掃除もせずに、食べて飲んで、好きなだけ寝て、実に楽しかったです。

世の中で一番楽しいことは、おそらく昼寝だと思います。そして昼寝の中で一番楽しいのは、妻の実家でする昼寝ではないかと。

限りある輝かしい寿命を、無駄に、実に無駄に過ごす、それこそ最高の贅沢ではないだろうか。

なんてことを正月が終わってから懐かしんでいます。

新年1回目は飯田蛇笏『雪峡』より。

ぱつぱつと紅梅老樹花咲けり

花咲けばそこが明るく。

幸福に人のくつおと秋の苑

日比谷公園らしいのですが、あぁそうか、戦争のことが頭にあるのかと。日常が尊い時代。

なまなまと白紙の遺髪秋の風

現実の、目の前の戦争とは、「なまなまと」したものだったのでしょう。

酪農の娘が恋しりて初日記

それから綺麗になっていって。

もろもろの霊に有情のはなぐもり

もろもろの霊よ。

鉄橋に水ゆたかなる冬日和

鉄橋日和でもあり。冬ならではの気持ち良さがある。

日短くつくづくいやなふかなさけ

静かに一人、いるときに思う。

恋めきて絨毯をふむ湯ざめかな

絨毯は、赤がいい。

わらべらに天かがやきて花祭

「天」がいい、空よりずっと。

金魚玉秋はたましひしづかにも

好きな句。秋には秋の、冬には冬の金魚玉。

降る雪や玉のごとくにランプ拭く

懸命に。しんとした場所で。

炎昼のふくらみすぎし旅鞄

ぱんぱんで、重い。

逃亡のいのちもて吸ふソーダ水

どうにもならんぜと思いつつ。

次は『家郷の霧』です。

今年もゆるゆるやっていきます。

では

ばーい