りゅーたん②

2005.3.31 角川書店刊行
「飯田龍太全集 第一巻 俳句I 」より

俳句を作って良いとか悪いとか言うテレビ番組がなかなか面白く、妻や実家の父母が面白そうに見ています。
さぁ、この写真で俳句を作りなさい、というお題が毎回出てますが、それが難しい。なんというか、ものすごくベタな、大仏の写真とかスケート場の写真とかがお題で、難しいだろうなと。

桜の写真とかを見て、桜かな、なんて俳句を作るのはとても難しい。難しいけれど、そういうのも出来た方が良いのかもしれない、なんて色々考えながら、ご飯時に結構見てます、その番組。

『童眸』より。

大寒の一戸もかくれなき故郷

一戸も。

雪の峯しづかに春ののぼりゆく

じわじわ来る感じ。

すでに爽か手の山草の音たてて

とても爽やか、だよ。

灯の下の波がひらりと夜の秋

ひらりが涼しい。

秋の空わが身に夜の匂ひなく

すっきり。

肉鍋に男の指も器用な夏

出来る男は色々出来る。

ゆふぐれの鳶に陽のさす新社宅

しみじみと我、サラリーマン。

月光の音なく磨く雪の空

冷たく、清らかで。磨くが良い。

雪光の中に風呂焚く豪華な音

好きなのさ。そんな暮らし。

湯の少女臍すこやかに山ざくら

命がぴちぴちしている。川端の小説みたい。

墓暑し山草に子を集めつつ

あっつい墓。草もむわっとしている。

冬の海てらりとあそぶ死も逃げて

命と、そして死と。龍太の句集は生命感と同時に死も思わせる。

晩年の父母あかつきの山ざくら

山ざくらがジワっとくる。

春風が消えにはとりも暗くなる

居るはずの。

桔梗一輪馬の匂ひの風動く

桔梗の使い方が今見ても新鮮。

有名句がごろごろしていますが、そうでない句もまた味のある句がごろごろしています。

じゃ

ばーい