りゅーたん④

2005.3.31 角川書店刊行
「飯田龍太全集 第一巻 俳句I 」より。

仕事で疲れるとラーメンを食べる。しかも安くてそんなには美味くはないラーメンを食べに行く。そして胡椒をバサバサふりかけて、眉間に皺を寄せて不機嫌な顔で一気にすする。

ラーメンを待っている間は、下品な表情で仕事の愚痴を言う。あぁ、嫌だ嫌だ、嫌なのよ、と激しく言う。
ラーメンをすすっている間も同じく。

楽しくなさそうでしょう?

結構、楽しいんです、太るけど。

『忘音』より。

満月に花アカシアの薄みどり

心が平穏。

夏寒きまで花冴えて稚魚の水

そんな日の、命が清潔な。

風吹いて月よみがへる梅雨の町

月「あっつい、べたべたする」

涼風に薬をさがす旅鞄

どこかにはあるけれど、無い。

秋つばめ仰ぐ裸の倉庫番

お腹も冷えない、私倉庫番。

生前も死後もつめたき箒の柄

魂も触れたならひんやりか。

父母の亡き裏口開いて枯木山

冷えてきたなら少し閉めたり。

母の手に墓参の花を移す夢

夢、であった。

冬の灯の消されてきえる児童の絵

ぱっと消え。この「ぱっと」の感覚は毎回新しい。

山々のはればれねむる深雪かな

山河堂々。

老人のゆくてゆくての冬田光

溝には落ちないように。

涼しさの顔に雨降る林檎園

あぁ、雨だ。綺麗な雨粒。

凧ひとつ浮かぶ小さな村の上

喜びはどこにでも、どんなものにもある。適度な静かさが良い。

木を伐つて狂はず帰る山の道

時に、狂いたくも。柳田の『山の人生』を初めて読んだ時は、なんだかくらくらした。

凍空を憧れて翔ぶもののあり

好きな句。魂をぎんぎんに。

刃を入れしものに草の香春まつり

ほのかに。

魚賢くてべうべうと夏の海

好きな句。魚は偉い。

蛇笏忌の淡き夜空の風呂煙り

お嬢さんを僕に下さい、と言えない顔の一つが蛇笏。気に入られたらものすごく可愛がってくれる人ではあるだろうけど。

夕月のきらめきのぼる雪解山

空も少し優しい色の。

遠山と柱時計に夏が来る

下五を枯野かなに変更すると面白い。嘘よ。

春の夜の釣具の上の硝子窓

釣具、良いのをコレクションしてそう。

好きな句、たくさんありました。

じゃ

ばーい