りゅーたん⑦

2005.7.31 角川書店刊行
「飯田龍太全集 第一巻 俳句Ⅱ」より

俳句の世界の若いとか若くないとか言う話、あれはもちろん俳句の狭い世界でだけの嘘で、わたくし麒麟33歳は世の中的にはちゃんとおじさんです。

おじさんになったなと自覚するのは、職場で若い子が入ってきて、話すような話題もないのでとにかく「よ、元気?」とか「疲れてない?今日は忙しいね」とかどうでも良いことばかり話しかける時。

若い子達はきっと、別に元気だよ、ぐらいに思っているに違いない。

そう思うと俳句の友だち達って気楽で好きだなぁと思う。

『涼夜』より。

立春の間近き室戸岬かな

高知は住んでみて思ったけれど、夏は暑いし、しかも冬も寒い。結局春や秋がありがたい。

春鷗道の行手に一寺見え

寄っても良いし、寄らなくても良い、ぐらいの。

少女には読めぬ寺の名春の風

難解寺。

若者の髭のさまざま天道虫

確か横山先生の『三国志』では20巻ぐらいから劉備に髭が生える。全60巻。

声出して声遠くまで林檎売り

西村林檎様、と葉書が来たことがあります。違います。西村蟹様もある、違います。

海よりも川なつかしき晩夏かな

身近なのは川。

引越の荷がゆく雪の伊吹山

引越大変、伊吹山大変。

手に乗せて木瓜がにほへば日短し

木瓜を見ていたら一日が終わってしまった。曰く、日短し。

水ぬるむくさむら闇を得てしづか

もやもやとかぶさる闇。

妹の籠のトマトをひとつ食ふ

ワカメ「お兄ちゃんひどぉーい!」

牧水忌島のひとつは秋まつり

あぁ、なんかやっているなと。それぞれの島にそれぞれの生活。

つぎつぎに雑魚釣れてゐる夕焼空

とりあえず釣るけど。

虫の夜の名札つけたる男下駄

僕の。

元日やしんと遺影のあることも

飯田家の一年がまた始まる。

落葉焚くけむりの先の水迅く

水迅く、も秋、冬で大分イメージが違う。

生卵のんで六腑に春の風

ロッキー。

涼しくてときに羆の話など

羆はすごい、という話など。

では今日はこんなところで。

じゃ

ばーい