りゅーたん⑩

2005.7.31 角川書店刊行
「飯田龍太全集 第一巻 俳句Ⅱ」より。

神奈川県の、急行の止まらない駅が最寄り駅です。家賃は近くの急行が止まる駅の半額ぐらいが相場で、自然がたくさんあり、鳥や虫をたくさん見つけることができます。

つまり、都内から遠い、結構遠い。

先日遊びにおいでと、俳句の若者を誘ったけど、あまりに遠いので大変だったろうなと思う。

それでも僕が今一番楽しい飲み会は、ご近所会です。終電というのが無いところも良い。

『遅速』より。

種子蒔いてことのついでの墓参り

種を蒔いたり墓に参ったり。

こころいま世になきごとく涼みゐる

半分仙人になりつつ。

闇よりも山大いなる晩夏かな

山国は山がすごい。住むとそう思う。

つぎつぎに風が木を出て菊日和

菊日和には外に出よう。

古都奈良を秋が生絹(すずし)のごとく去る

とだけ書かれた観光ポスターも魅力的。

草紅葉骨壺は極小がよし

小さくて良し。

眼のとどく限り見てゐて年の暮

飯田家が、見ているぞ。

どのヨットにもねんごろに雪が降る

春よ来い。

凍蝶の魂さまよへる草の中

草に紛れるほどの小さな魂。

何気なく灯に近づきて夜の秋

だなぁと。

いつとなく咲きいつとなく秋の花

だなぁと思った。

骨壺の中が真つ暗秋の道

眠るには暗いのが良い。

家を出て枯蟷螂のごとく居る

枯蟷螂は大人の魅力、なのか。

それとなくひとの見てゆく春の川

小さな川らしい、狐川。ぜひ一度見てみたい。

元日の戸を開けてゐる山の家

山の飯田家。

短夜の明けゆく波が四国より

夜明けぜよ。

海辺まで花なにもなき涼しさよ

遠くに海が見えるだけの。

よろこびの顔が真暗盆の墓

暗い時間の暗い場所。

夏鶯同じもの売る店ばかり

あるある。山の方とか海の方とか。

涼風の一塊として男来る

さっそうと。

雨音にまぎれず鳴いて寒雀

いるよ。

あと一回龍太の残りやります。

じゃ

ばーい