1990.2 沖積舎刊行
『原石鼎全句集』より。
世の中にはゴールデンウィークというものがあったらしいですが、
祝の日、なんだから、休みたいなぁ、と思いつつ、
と思わなくてはいけないところだけど、休みたい。ごろ、ごろ、
忙しい人を見ていると働かなくてはと焦る、
石鼎の続きから。
秋風やこころに一つ冷えしもの
心の保冷剤キンキン。
俎板にほどく鴨ありランプ吊る
鴨はあんなに可愛いのに、美味しいもんだから、
冬の日の暮にのどかさありにけり
心が澄むような、そんな日。
春猫の草より塀へ上りけり
よっと。
昼ながら月かかりゐる焼野かな
昼ながら。
青天にむらがり赤し岩椿
綺麗、という感じではない、群がる感。
かたまれる蝌蚪の真中へ落椿
わ!!
大蜂の巣の欠けてあり月の壁
刺されてはいけない蜂の。
春惜しむ心に暗し牡丹の絵
妙な気持ち。
白梅に日の当りたる焼野かな
これこれで、世界がある。あの句と似てはいるけれど、
汁冷えて椀に沈める白魚かな
白魚さんがいっぱい、椀に。
少しづつ妙な句が増えてきましたね。
じゃ
ばーい