博道だぞう①

2009.1.2ふらんす堂刊行
『季語別櫻井博道句集』より。

昨日第六回ご近所会をカレー屋にて行いました。メンバーは橋本家、あかりさん、西村家の五人。なんでもない話をしながらカレーを食べる、酒を飲む、というだけの会なんですが実に楽しい。

イギリスはビールが美味い。痛風はイギリスでしたっけ?そうそう。この人はアジアに行くと必ず調子が悪くなるのよ。小津さん、素敵な人でしたね。わたしお昼食べてないからお腹空いちゃって、あかりさんチキンきましたよ、食べましょ食べましょ。麒麟くんこの前電車で鞄にヨダレこぼしながら寝てたよ、えー、困ったなぁ。いいじゃないヨダレぐらいなら。僕この前自分家でジーパン抱きしめながら寝てたんですよね、私が邪魔だからあっち行ってって言ったらそのまま寝てて。安里君っていい泡盛知ってますよ。わたしのナンどれだろう、いいや、これ多分わたしのナン。今度は焼鳥屋行きましょう、あそこのお酒頭が痛くなるの、百発百中よ、それはあなたが変なサワー飲むから。このカレー辛いわ。直さん、まだ飲んで良いです?え、飲む?飲むなら飲んでもいいよ、じゃあハイボール二つ。

ご近所会、楽しい。そしてカレーは美味しい。この街に住んでて良かったなと思います。

では『季語別 櫻井博道全句集』を読んでいきましょう。これ、季語別だけどオマケ(?)として編年体句集付なんです、つまり、全句集なんです。
3500円で博道の全句集が読めるのだからお得です。2009年発売だけど、まだ手に入るなら買っておいた方が良いかもしれませんよ。

『海上』より。

登山帽扇にしつつ友を待つ

やわらかにパタパタ。たまには恥ずかしがらずに友なんて字も使いたい。

五月来るホームの端より鳩放ち

近くで見るより鳩は遠い方が良い。

秋の浜伸びゆく浪の舌ひかる

伸びゆく、が楽しい。

大寒の電球みがく口あけて

わかる、でホコリが入る。卓球と電球みがきは口が開く。

卒業や紙のコップに陽が当り

紙のコップの白さよ。

春夜買ふ一握の釘菓子のごと

細めのかりんとう、ではない。

海を恋ふ夜の帳簿に蜜柑のせ

蜜柑の安定感、ほのかに匂うのも良い。

競ふごと寝るや明朝冷えると云ふ

すぐ寝る大会。

弱い夕日にガソリン匂ふ雛祭

関係ないけど、特攻の拓の特攻はぶっこみと読みます。ちょっと思い出しただけ。

子の瞳ならぶ焚火は音を空へ放つ

24もないけど瞳。

雪国やしづくのごとき夜と対す

清潔な、黒い夜。

風の新樹わが周辺にただよふもの

いい気、いい風、いい匂い。

胡桃洗ふ水流の村婆多し

残りは爺。

打上げし流木朝日があたためる

朝が来て、昼が来る。

銭湯出てまた汗かきぬ海の駅

入ったのにね、わかる。

馬がゐてコップの中も夕焼けぬ

馬もまた、懐かしい色に。博道さん、コップ、お好きですね、グラスではなく、コップ。

獅子舞の来てゐる町角うどん食ふ

町感がいい。

枇杷の種はづみころがる海の家

ごろん。

桔梗一輪投げこむ力ばかりの世に

有名句ですね。清潔に、頑固であれ。

お涼みあれと絵葉書の宋の壺

抱きしめたら、冷んやりしそうな壺。

年つまる闇にことこと兎ゐて

いるはずの小さき兎さん。

次回は第二句集です。

じゃ

ばーい