2009.1.2ふらんす堂刊行
『季語別櫻井博道句集』より。
何か原稿依頼をいただくたびに、棚からわっさわっさと本を抜き、部屋中に置くので大変散らかります。さらに僕は手書きで紙に必要な文章を書き写したり、いつか使うかもしれないと思うものを大量にコピーしますので、部屋中紙だらけでもあります。
そのぐっちゃぐちゃの資料の山から、今回はアレとアレとアレの書き写したやつと、アレのコピーしたやつが要る、と探し出すのだからもう大変です。
原稿を書くのと同じぐらい、資料を探し出すのはエネルギーが要ります。
いやいや、整理は不可能なのであります。
では『椅子』より。
太陽のあるうち初湯わきにけり
そんな時間に入る贅沢。
啓蟄や鳶は大きく風に乗り
地に虫天に鳶。
力だしきつて遊べり筍飯
よく遊びよく眠れ。
猫の胴のびきつてゆく良夜かな
にゃーーん。
茹であげて美し空輸のアスパラガス
マヨネーズ。
七種粥息吹き入れて遊びをり
ふーふー。
長寿眉今日たんぽぽの黄が金に
ゴールドな人生を。
炎天の鏡のごとく垂れしかな
きらきらのぎらぎら。
にんげんの声して甘ゆ寒鴉
あぁー。
箸置の絵をほめてゐる夜の秋
好きな箸置。ちなみに我が家は敦子さんにもらったケチャップとマヨネーズの形(つまり白と赤の色違い)の箸置をよく使っています。
落葉焚いまゐし人の見当らぬ
世にも奇妙な物語、とまではいかない話。
多摩川の暗黒越えし十三夜
多摩川は暗黒の川、夜に見て。
冬うらら洗濯ものに鳥の糞
洗濯アゲイン。
冬隣薬のむたびコケシの瞳
コケシはみんな生きている。
冬日和都心はたらく人淡し
淡くなるほど働きたくなし。
次回は『椅子』以後です。
じゃ
ばーい