昭和57.9.15角川書店刊行 「杉田久女読本」より。
実家の尾道に帰っています。ラーメンを食べたり映画を観たり、楽しく過ごしています。
子どもの頃夏休みはなんとなく過ごしているうちに、いつの間にか終わっていました。大学生にも長ーいは夏休みがありますが、やはりなんとなく終わっていました。
あの頃、バイトもしていなかった僕は何をやって過ごしていたんだろう。
学校を卒業しておじさんになってしまうと、たった数日のお盆休みがあるばかり、長くて暇な夏休みが懐かしい。暇ほど尊いものはないとわかるのは、大人になってから。
杉田久女を読んでいきましょう、久女って意外と句の数多いので、じっくり読めば何か印象が変わると思います。では「杉田久女句集」より。
麥の芽に日こぼす雲や春寒し
おーい、雲よ。
鳥の餌の草摘みに出し余寒かな
鳥のため。
春暁の夢のあと追ふ長まつげ
村山総理は眉毛が長い。
草庵やこの絵一つに春の宵
一つ飾るなら、何の絵が良いか。
春の夜のねむさ押へて髪梳けり
気だるいも美しさというのもある。
春の夜のまどゐの中にゐて寂し
なんということは無いけど寂しい春。
東風吹くや耳現はるるうなゐ髪
明るくて綺麗な耳は子どもの耳。
春の雨苗すこやかに届きけり
きらきらと雨、きらきらと苗。
春雨や畳の上のかくれんぼ
かくれんぼは本気ではなく、可愛いのが良い。久女は巧い句や美しい句だけではなくて、可愛いのもたくさんあります。
菓子ねだる子に戯画かくや春の雨
お菓子はなしよ。
嫁菜摘むうしろの汽笛かへり見ず
汽車より嫁菜。
姉ゐねばおとなしき子やしやぼん玉
今日はいい子、ほんとはいい子。これは可愛い句ですね。
様々な句があるのでゆっくり読んでいきましょう。
じゃ
ばーい