昭和57.9.15角川書店刊行 「杉田久女読本」より。
たまにする留守番が好きです、大人のお留守番。
朝風呂に長々入っても良いし、昼からお酒を飲んでも良い。妻が聴かない音楽もかけ放題だし、録画してある僕しか喜ばない番組も見放題。どんなにだらしない格好をしていても、古本を読み散らかしたりしても、全く叱られない、ノープロブレムである。
今から帰るね、とメールが来ると、せっせと食器を洗い、空瓶を処理し、酒を抜くために顔を洗い歯を磨きます。今日一日、しっかりと勉学に励んでおりました、という顔をして出迎える用意をします、ノープロブレムである。
さて久女の続きです。
別るる日迫ると思ふ新茶かな
ふぅと新茶をさましつつ。
雛菓子に足投げ出せる人形達
見ている時は動かない彼等。
鶯やうたたねさめし長まつげ
目覚めたわ。
病める子に太鼓うるさき祭かな
外は祭。
大地うつ雨久しけれ瓢苗
涼しい
杜若さげ来し君と業平忌
君と我と業平忌。
むすびやる娘の春帯は板の如
久女は帯の句多いですね、この句は娘だけに嬉しそう。
石鹸玉小さく破れたる畳かな
ぱっと消え。
水玉ふつて水鳥首を立てにけり
すっくと大きな水鳥。
夕顔や灯とほく母とねころびて
母上様。
葉ごもりの青いちぢくや秋涼し
目にも楽しい。
ゆであげて蟹美しや湯気赤く
蟹だ蟹だ。嬉しそうなのが良い。
11回かかりましたが久女は今回で終わりです。
やはり全部読まないとわからない魅力はありますね。
さて、次回は何をやろうかな。
じゃ
ばーい