2017.9.23ふらんす堂刊行
日原傳句集「燕京」より
俳句のアンケートで、趣味を書かないといけない場合などがあり、結構悩みます。俳人にアンケート出してるんだから、そりゃ「俳句」です、とは書けないわけです。
僕から見た俳句の世界の人たちは、趣味人であったり、知識人であったり、またはゴージャスであったりするので、変なことを書くと笑われてしまうと思うと、何も書けなくなってしまいます。書道やお茶、ダンスやピアノから博打や宝くじ、何んでも良いから人に言いたくなるような趣味があったらなとは思うんですが、なかなか…。
迷いに迷って、情けない小さな文字で「散歩」と書きました。趣味、ではない気がするけれども…。
日原傳さんの句集「燕京」を読んでいきましょう。
ちなみに燕京は北京の異称らしいです。ほー、ではさっそく。
風の如く林の如く初幟
はためく。
対岸の人よく映る秋の水
水面にもその人。
折れやすき色鉛筆や草の花
人気の色ほど。
突き当たる昔の道や山桜
昔の道に昔の桜。桜はソメイヨシノが綺麗だと思うけれど、山桜という名を思うと、山桜の方を愛したくなります。
秋燕砂漠に影を流しけり
すいすいと。気持ちの良い句。
こつこつと鵲が巣を作る音
小さな家をこつこつと。
虫売の一夜の店をたたみけり
もういない。
鴨の雛みな乗つてゐる浮葉かな
ぎゅっと集まっていて可愛い。
味噌汁に知らぬ茸や眺め食ふ
多分、大丈夫なやつ。
剪定の一人一人の脚立かな
広大な庭の。
暑きゆゑ少しおろかに暮らしをり
こんなわたしに暑さがした。
実作の勉強になるような句がたくさんありました。おすすめです。
じゃ
ばーい