2017.6.1ふらんす堂刊行
「鷹羽狩行俳句集成」より。
僕を見ていればわかると思うけれど、勉強があまり出来ません。俳句の世界の僕以外の人もよくそんな事を言うけれど、だいたいは謙遜と言うか、まぁ嘘なんですが、僕のは悲しいことに本当に出来ない。威張ることでもないけれど。
原稿依頼等をいただくと、ガバーッと本を大量に購入して読みまくるのですが、読まなきゃいけない順番に本を読むのはあまり面白くない。なんかこう、勉強させられている感じがあまり好きではなくて。矛盾するようですが、俳句でも俳句外のものでも本を読むのはとても楽しいんです。わぁ、面白い面白いと、新しいことを知ることは実に嬉しい。
なかなか、勉強楽しいなぁ、という境地にたどり着くことが出来ません。本当は、勉強って贅沢なことであって楽しいものだと思うのだけれど。なかなかねぇ、なかなか。
『十二紅』より。
水餅を魚のごとくに摑み出す
ぴちぴちの。
ひと揺らぎして水餅の沈みけり
ゆらり感。「ひと揺らぎ」が気持ち良い。
鈴つけて音が先ゆく子猫かな
子猫じゃないけど、サザエさんのタマのような王道な鈴が好きです。
川ぐんと曲りしところ凧合戦
五十崎大凧合戦らしいです。多分、大迫力の。
空蟬の背の白きもの臍の緒か
多分、違うけど、そんな感じの。
目の力ぬいて目を閉ぢ聖夜ミサ
リラックスは目から。
おもしろう生きむ白魚なども食べ
人生楽し、白魚うまし。
白鷺や橋の下まで潮を入れ
浜離宮の句です。浜離宮ってそんな感じです。
一菜に熱き一汁今朝の秋
しみるぅ。
起こされぬことのさみしき初寝覚
起こして、くれても良いんだぞ。
通るたび仏壇のぞき桜餅
仏壇の中の人が時々食べる。
坂みちを廊下のごとく宿浴衣
うかれて宿の浴衣のままうろつくのは実に快感。
飛ばされて帽子よろこぶ花野かな
帽子「たまらん」
合戦の場を海として菊人形
あわれあわれの平家かな。
今日はこのあたりで。
ばーい