鷹羽狩行を修行中12

2017.6.1ふらんす堂刊行
「鷹羽狩行俳句集成」より。

僕を見ていればわかると思うけれど、勉強があまり出来ません。俳句の世界の僕以外の人もよくそんな事を言うけれど、だいたいは謙遜と言うか、まぁ嘘なんですが、僕のは悲しいことに本当に出来ない。威張ることでもないけれど。

原稿依頼等をいただくと、ガバーッと本を大量に購入して読みまくるのですが、読まなきゃいけない順番に本を読むのはあまり面白くない。なんかこう、勉強させられている感じがあまり好きではなくて。矛盾するようですが、俳句でも俳句外のものでも本を読むのはとても楽しいんです。わぁ、面白い面白いと、新しいことを知ることは実に嬉しい。

なかなか、勉強楽しいなぁ、という境地にたどり着くことが出来ません。本当は、勉強って贅沢なことであって楽しいものだと思うのだけれど。なかなかねぇ、なかなか。

『十二紅』より。

水餅を魚のごとくに摑み出す

ぴちぴちの。

ひと揺らぎして水餅の沈みけり

ゆらり感。「ひと揺らぎ」が気持ち良い。

鈴つけて音が先ゆく子猫かな

子猫じゃないけど、サザエさんのタマのような王道な鈴が好きです。

川ぐんと曲りしところ凧合戦

五十崎大凧合戦らしいです。多分、大迫力の。

空蟬の背の白きもの臍の緒か

多分、違うけど、そんな感じの。

目の力ぬいて目を閉ぢ聖夜ミサ

リラックスは目から。

おもしろう生きむ白魚なども食べ

人生楽し、白魚うまし。

白鷺や橋の下まで潮を入れ

浜離宮の句です。浜離宮ってそんな感じです。

一菜に熱き一汁今朝の秋

しみるぅ。

起こされぬことのさみしき初寝覚

起こして、くれても良いんだぞ。

通るたび仏壇のぞき桜餅

仏壇の中の人が時々食べる。

坂みちを廊下のごとく宿浴衣

うかれて宿の浴衣のままうろつくのは実に快感。

飛ばされて帽子よろこぶ花野かな

帽子「たまらん」

合戦の場を海として菊人形

あわれあわれの平家かな。

今日はこのあたりで。

ばーい