鷹羽狩行を修行中13

2017.6.1ふらんす堂刊行
「鷹羽狩行俳句集成」より。

先日、俳句文学館で調べものをしていて、山頭火がなんとダメな人であったか、ということを散々読んできて、胸が痛くなりました。山頭火の死後、妻の咲野さんが「山頭火があなた方にたくさん迷惑をかけたんでしょうねぇ」と言ったところを読んだ時なんか、泣きそうになりました。 そしてどの人の証言も山頭火を「嫌い」だとは言ってないところがすごい、魅力もあったんでしょうね。

僕に何かあれば、僕の妻も、直さんや久留島くんに、「麒麟がたくさん迷惑かけたんでしょうねぇ」と言うに違いない。山頭火はダメだけど、俳句はすごいから良いのでしょう。ただダメなだけな人はただダメな人です。

いけないいけない、長生きをしよう、そしてよく生きよう。

『十三星』より。

庭竹の四五本にある淑気かな

庭に庭竹。

羽ばたきとともに初声去りゆけり

さらばじゃ感。

火を欲るや犬つこ祭の犬つこも

もちろん季語は犬つこ祭で冬です。あります、本当に。

人が人に疲れて帰る春夕焼

人は一番人に疲れる。

しづくして雨の明るき紅葉谷

きらきらの紅葉谷を。

美は眉にあり春愁の眉にあり

この眉をみよ。

春眠の肘まろまろとありにけり

まろまろすやすや。

鯉幟下ろして父子没したる

ちーん。

蟷螂の枯れてつくづく小顔かな 485

三角の。

飛びたたぬやうに鶯餅はこぶ 489

粉がね。

四五日は位置のきまらず扇風機 492

そのうちなんとなくきまる。

冬帽のやはらかなるを鷲摑み 496

グシャっと。

じゃ、今日はここまで

ばーい