2017.6.1ふらんす堂刊行
「鷹羽狩行俳句集成」より。
先日、俳句文学館で調べものをしていて、山頭火がなんとダメな人であったか、ということを散々読んできて、胸が痛くなりました。山頭火の死後、妻の咲野さんが「山頭火があなた方にたくさん迷惑をかけたんでしょうねぇ」と言ったところを読んだ時なんか、泣きそうになりました。 そしてどの人の証言も山頭火を「嫌い」だとは言ってないところがすごい、魅力もあったんでしょうね。
僕に何かあれば、僕の妻も、直さんや久留島くんに、「麒麟がたくさん迷惑かけたんでしょうねぇ」と言うに違いない。山頭火はダメだけど、俳句はすごいから良いのでしょう。ただダメなだけな人はただダメな人です。
いけないいけない、長生きをしよう、そしてよく生きよう。
『十三星』より。
庭竹の四五本にある淑気かな
庭に庭竹。
羽ばたきとともに初声去りゆけり
さらばじゃ感。
火を欲るや犬つこ祭の犬つこも
もちろん季語は犬つこ祭で冬です。あります、本当に。
人が人に疲れて帰る春夕焼
人は一番人に疲れる。
しづくして雨の明るき紅葉谷
きらきらの紅葉谷を。
美は眉にあり春愁の眉にあり
この眉をみよ。
春眠の肘まろまろとありにけり
まろまろすやすや。
鯉幟下ろして父子没したる
ちーん。
蟷螂の枯れてつくづく小顔かな 485
三角の。
飛びたたぬやうに鶯餅はこぶ 489
粉がね。
四五日は位置のきまらず扇風機 492
そのうちなんとなくきまる。
冬帽のやはらかなるを鷲摑み 496
グシャっと。
じゃ、今日はここまで
ばーい