「ぴよん」 江渡華子

ぴよん

子の喉をプリンの通る秋の風
下駄箱の靴ぱんぱんや月も丸
揺れてゐる薄をコメと呼ぶこども
幾たびも車窓に挑む飛蝗かな
ぴよんぴよんと秋の水たまりを越える
酔ふ夫は歌ひ寝る子を起こしたる
風ふけば木犀香る家路かな

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