「来よ」 神野紗希

「来よ」神野紗希

蛇舎の壁に描かれアマゾンいつも朝
子兎は卵のごとし干草に
月光はしろがね人の灯はこがね
化粧せぬ頬の白さよ萩の花
もの書けるほどにあらねど月明し
サボテンに秋雨逢いたければ来よ
老いてゆく宇宙 鹿の眼黒く澄む