2016年6月8日

パンくずを払うも愉し更衣

20160608

一昨年の誕生日にホームベーカリーをプレゼントされてから、一人暮らしのくせにパンまで焼けるようになった。わたしは基本的にすべて目分量で料理をしてしまうので、お菓子作りのように分量を細かく見て手順を違わずになにかを作るのが苦手だ。正直貰った時はうれしながらも面倒そうだと思ったが、スイッチを押すだけ、餅もつけるしピザ生地も作れると聞いて俄然やる気になった。粉と水を入れてスイッチを押すと、ニュン、ニュン、と彼(どっしりと四角いので、彼、という感じがする)は動き出し、時折「ンノノノノノ!」と叫んだり、黙りこくったりしながら、3時間もすれば焼きたての食パンが出来る。ほんとうはちゃんと分量をみたり、水の温度を測ったりして作るものなのだろうけれど、適当にやってもイースト菌さえ間違えなければそれなりに食パンが出来上がる。イースト菌はすごい。発酵中のふかふかに膨らんでいく生地を見ると、これが科学……とか、QOLが高まっていく……と思って興奮する。発酵させたパン生地はあんぱんにしたり、コッペパンにしてツナときゅうりを挟んだり、食パンにして分厚いフレンチトーストにしてみたり。いろんなことができるけれど、わたしが一番好きなのは焼きたての食パンをあつ、あつ、と言いながらちぎって、まだほやほやの湯気が出ているところにバターとこしあんをたっぷり塗って食べること。いいでしょう。いいんですよ。こんな調子だから一人暮らしをしていても全然体重が減らない。