2016年6月28日

苦悶のごと身体くねらせ脱ぐ夏服

20160628

朝。シャワーを浴びて、濡れた髪が乾くまでにやらなければいけないことがありすぎる。ああ、あー!と言っている間に家を出る時間になってしまい、いつになっても優雅な朝を過ごすことができない。きょうも化粧水をつけて、濡れた手のまま炊いておいたご飯をよそう。インターネットで最強の卵かけごはんの作り方!というものを発見し嘘くさく思っていたが、だまされたと思って試してみたらほんとうにおいしかった。白身とご飯を先にたくさん混ぜてから、くぼみをつくって卵黄を落として食べる。たったそれだけなのにふわふわで黄身も均等に行き渡るのでずっと味が濃く、びっくりしているうちに食べ終えてしまった。これはやってしまいましたね。ひとり暮らしの朝ごはんの正解出ちゃったかも。しらすや梅や南蛮漬けをのせて、時間のない朝にしばらく味を変えてローテーションできそう。コーヒーを淹れる余裕もないわたしの朝にはぴったりだ。

しかし、いつの間にかすっかり、なんとか、ひとりで暮らせるようになったと思う。いま、こころからのびのびと生活しているなあと実感している。大学に入ってすぐのころはずっと透明な制服を着ているきもちで、何にも縛られていないということが恐ろしく、さみしかった。しばらくは実家で暮らすのと同じように暮らしたけれど、だんだんそうしなくったっていいことに気が付いた。夜お風呂に入るのが面倒になったら朝入ればいい。歯を磨いた後にアイス食べたくなったら食べちゃえばいい。薔薇風呂に入りたくなったら湯船に薔薇ちぎっちゃえばいい。夜中に夜風を浴びたくなったら自由に外に出て月を見上げていい。突然逆立ちしたくなったら?誰も見ていないんだし、臆することなく逆立ちしちゃえばいい。いいんだ!なにをしてもいい!すごい!大人になるってもっと窮屈なことだと思っていたのに、中学生の時の目つきの悪いわたしより、高校生の時のやたら怒ったり泣いたり笑ったりしていたわたしより、いま、自由ってかんじ!やった~!もちろんそれが両親に強く支えられていたり、自分のアルバイトによるものだってことくらいわかっている。それでも自分がいま確かに自分の人生を手にしたという実感があって、そう思うだけで、うおおん、と遠吠えしたくなるくらい感動し、うれしいのだ。
わたしはこれからもうどこにだってひとりで行けるし、何をしたっていいし、何になってもいい。すきな絵を見に行くために夜行バスに飛び乗ることだってできるし、会いたい人をハグするために飛行機に乗ることだってできる。わたしはそうすることができるし、そうしていいのだ!めちゃくちゃな札付きのワルになることだって、できる!あ~、はやくワルになってたくさんお金を貯め込んで両親を旅行に連れていきたい!

いよいよここからはマジでわたしの人生。うーん!がんばるぞ。まずは朝にきちんとお化粧をするところから。いまは目の前が真っ白に見えるけれど、それはきっと未来がまぶしすぎるせいだ。