2016年8月13日

とうすみの日月(じつげつ)にして商(あきな)へり

巻民代のこと⑥
このごろの僕はもう巻民代を呼び戻すときのこうした感覚をほとんど失ってしまった。でも、ふいに彼女を呼び戻したくなるときもある。実際、僕はこの連載を当初巻民代による連載として構想していた。すでにいくつかの句も出来上がり「御迷惑」というタイトルまで決まっていたのである。結局それは中途で放棄されたのだが、これを放棄したのはいったい誰だったのだろう。