2016年9月7日

秋真夜中東京の地の匂ひ出す

吉田健一が『埋れ木』(河出文庫)で書いている東京という地域は、おそらくおおよそ東京市制下での15区のあたりを指している気がする。そうすると自分が住んでいる地域は「東京」ではないことになる(事実15区の頃は「郡」であり「村」であった)。住んでいる土地が「東京」の外側にある「村」だ、という認識は、自分をむしろこの土地に足が着いたような気分にさせてくれた。