2016年9月9日

旅人はかんたんな色露に溶く

幼い頃の自分にとって東京とは、「故郷では売られていないものが並んでいていくらでも吟味して買える街、またそれらを買う人たちが住んでいて交流できる街」だった。書泉ブックマートやイエローサブマリンやプラザエクウスや渋谷HMVに行くとそこにあるものを吸い尽くさんばかりのエネルギーで歩き回り、帰りの電車では体調を悪くしたものだった。東京に住んでいる今その頃のエネルギーでそれらのものを求めているかというと心許ない。