2016年10月11日

紅葉かつ散る神経の総延長

そんなに呑んだつもりはなかったが、やはり酔っていた。気分は良かった。悪いとは解っていたが、自転車で帰宅することにした。翌日取りに行くのも面倒だったのだ。深夜2時を回っていた。裏道に入りふと空を見ると星がきれい。はっ、目の前に塀が迫っている!ハンドルを切るも既に遅く左手の小指が塀に激突してしまった。翌朝起きると、昨夜ぶつけた小指がパンパンに腫れている。曲げようにももくもくしていて曲がらない。そしてものすごく痛い。翌日も変わらなかった。まさかヒビでも入っているんじゃ。整形外科へ行けと言われる。病院で先生に顛末を話す。折れていたらどうしよう。相変わらず指はじんじんしている。そして撮ったレントゲンを見て少し笑いながら先生は言った。
「ひどい打撲です。しっかりとした骨です」
そこには骨格見本のような立派な手の骨のレントゲン写真があった。
「しょっしぃ・・・」
湿布と痛み止めを出してもらった。家に帰り、湿布が剥がれないようにと言訳をして、わざとらしく包帯をぐるぐる巻いた。

[しょっしい]恥ずかしい。[しょうしい]とも。「笑止」が語源か。