2017年2月21日

丘を向くさくらとなつて朽ちゆく身

わたしはおじいちゃん子で、「かっこいいといえば石原裕次郎!」という環境で育った。西部劇と古い日本映画をよく観て、母は「仁義なき戦い」シリーズや鬼平犯科帳を好んでいた覚えがある。(伊丹十三がすきなのも母の影響かもしれない。)我が家は田舎にしては映画や本などの文化に親しかった方だと思う。

お正月実家に帰省した際、年末の歌謡番組で吉永小百合と橋幸夫の「いつでも夢を」が流れた。
「この曲を聴くとなつかしいと思うがよね」と無意識の声で言うと、「この曲は子守歌にされちょったきね」とのこと。一気に昭和に対する親近感が湧いたのだった。

いつも考えていることの一つに、「なつかしさ」がどこからやって来るのかがある。森永ミルクキャラメルにレトロを感じるとき、歌謡曲を聴くとき、遠くでかすむ空を見るとき。ムシャクシャしたことや嫌なことがあった時、それらに触れるとそんなことがちっぽけなことに思えたりする。

そんな自分に、今日もおつかれさま。