2017年3月24日

三人に話してもらふ雪の果

行く先々の会社ですぐに周りと打ち解け、出会って一月ほどで恋人も作ってって、いくら何でも調子のいいことを書きすぎではないか。確かに事実には違いない、違いないけど、実像とかけ離れ過ぎて、お前誰やねんってなる。文体か?文体のせいなのか?

大学に入学して基礎ゼミというクラスに分けられて自己紹介をすることになったとき、私は、「大学デビューだ」と意気込んでいた。私の人生は高校の卓球部に入って始まったようなもので、そこで初めて毎日他人と一緒にいても楽しいと思えるようになったのだった。だから、話せることといったら卓球のことしかなくて、自己紹介なのに途中から卓球の素晴らしさを説き始めてしまい、最期に「卓球は暗くありません!」と謎の絶叫で締めくくったが、当然、誰もそんな宣言など求めてなくて、見事に滑ってしまった。周りからは、「ああ、まぁいるよねこういう奴」という空気が出ていて、もはや卒業したかった。

それでも3名ほどの友人と仲良くなり、結局大学の四年間は殆どそいつら中心につるんでいた。