2017年6月2日

意味するマダガスカル変な木へんな虹

恣意的な文字列を眺めるのが好きだ。でたらめな文字の並びを眺めながら、そのあいだに見え隠れする「なにやら」を妄想するのが楽しい。

でたらめと言っても、結局のところ自分自身で調達しなければならないので、「恣意性」にも限界があるのだけれど、いろいろな手をつかって、なるべくでたらめな文字列をつくるのも、案外、楽しめる。

いわゆるオートマティスム(自動記述)というような、ややこしいものではない。もっと手軽で、機械的な方法だ。例えばこんな感じ。

意味するマダガスカル有毒な二酸化硫黄論文発見恐ろ

ま、この程度のものなのだが、眺めているとむずむずしてくる。

最初の「意味するマダガスカル」は、文としてはわかりすぎるようだが、少し魅力を感じる。そもそもマダガスカルって何だっけ。ググる。

マダガスカル共和国は、アフリカ大陸の南東にある島国だそうだ。写真を見るとなにやら日本では見ることのできない変な木がたくさん生えている。「意味するマダガスカル」は、この「変な木たち」と関わりがあるのかも知れない。この「変な木」たちは、「バオバブ」というのだそうだ。聞いたことあるような気がする。

珍妙な白い猿がいる。ベローシファカというらしい。他の写真を見ると、黄色くて丸い眼が特徴的だ。こっちを見ている。何を考えているのかわからない眼。この猿、どこかで見たことあると思ったら、子どものころみたアニメ「母をたずねて三千里」に出てきたやつだ。アメデオ。

「有毒な二酸化硫黄論文発見恐ろ」はなんだか予定調和でどきどきする感じはないのだが、たとえば「恐ろ」が「おそろい」だったらどうだろう。「おそろいの二酸化硫黄」とか。二酸化硫黄は刺激臭がするらしいので、「おそろいの刺激臭」とか。有毒なおどろおどろしいものでも「おそろい」だとなんだか楽しい。

おそろいの刺激臭と黄色い眼で見つめてくるマダガスカルの意味する論文。

たぶん他の人が見ても何が楽しいのかわからないだろう。