2017年7月10日

りんご飴片手に巡る学園祭

2010年にフジテレビのノイタミナ枠でアニメ化された『四畳半神話大系』(2010,原作 森見登美彦,脚本 上田誠、湯浅政明,監督 湯浅政明)はアニメの概念を変えた。
高校生のときに見たときより、大学を卒業したいま見たほうが良さがわかる。森見登美彦さんの小説も読んだ。高校の図書室に行くと、森見さんの初期の作品『太陽の塔』(2003,新潮社)が2冊あって、そのうち1冊を借りて、キャンバスに絵を描くことに飽きたときに読んでいた。高校の図書室の前の廊下の窓からは、ほんものの太陽の塔を見下ろすことができた。

今年の春、満を持して『夜は短し歩けよ乙女』(2017,原作 森見登美彦,脚本 上田誠、,監督 湯浅政明)が公開された。
ヒロインの黒髪の乙女はひとりで歩いていても、とても楽しそうである。何が起こっても驚かず、肯定的に受け入れる。学園祭では、景品の緋鯉を背負ったり、劇の主演に抜擢されたりする。

映画を観に行った日の3日後は「奎」の句会だった。黒髪の乙女の真っ赤なワンピース姿に影響を受け、グレーのワンピースに、母が若い頃に着ていた、とても質のいい真っ赤なカーディガンを羽織った。句会場は、枚方駅から徒歩10分もかからないところにある。今まで3回行ったことがあるから大丈夫だろう、と思って歩いていたら、道に迷ってしまった。歩道にて、おじさんに道を訊くと「逆です、この道をまっすぐ行くと着きます」と教えてくれた。ほんとうにまっすぐ歩けば五分足らずで、いつもの句会場にたどり着くことができた。

歩けよ、乙女!