2017年7月17日

ばらの花みずをしらない海をしりたい

“奇跡の人”とは、ヘレン・ケラーではなく、彼女の家庭教師のアン・サリヴァンのことである。

大学の講義で観た『奇跡の人』(1962,原作・脚本 ウィリアム・ギブスン,監督 アーサー・ペン)は、モノクロの映画だったけど、役者さんの演技や表情に魅せられて、見ている人が自由に色を塗ることができる。
サリバン先生自身が盲目の経験があり、だからこそ、ヘレンに教育をすることができた、と言われている。

現在、奇跡の人と検索すると、前述の映画ではなく、昨年のテレビドラマの情報がヒットする。『奇跡の人』(2016,脚本 岡田惠和,NHK BSプレミアム)は、現代の日本版の奇跡の人といった感じ。主演は、銀杏BOYZの峯田和伸さん。峯田さん演じる一択が目がみえない、耳がきこえない少女、海ちゃんとその母親の花ちゃんと出会い、同じアパートで暮らすことになる。個性豊かなアパートの住人たちとの笑って泣ける日々を描く。海ちゃんだけではなく、全員が成長し、前に進んでゆく。悪い人がいない。
岡田惠和さんは、いま放送中の朝ドラ『ひよっこ』の脚本家である。ひよっこにも、峯田和伸さんは、みね子のおじさんとして出演している。他にも、両方の作品に出ている役者さんが結構多い。ひよっこを見始めたきっかけは、青天目澄子ちゃんに似ていると言われたことだった。人間模様があたたかく、一日一日を大切に生きようと思える。