恋文を紅き吹き矢でとばすかな
●虫眼鏡●
〈かたち〉をよく見るための道具。これは独身時代に買ったもの。
わたしは目が非常に悪くて、とくに文字が苦手なんですよ。それで、なにか助けになるものが欲しいと思って、購入してみました。
ところがこれ、活字には向いていなかった。虫眼鏡は〈かたち〉がよく見えるのとひきかえに、意味が壊れてしまう作用をもつようです。
ってゆうか、本来「よく見る」とはそういうことですよね。意味の関節が外れ、文字がゲシュタルト崩壊し、ついには〈かたち〉の全体性が失われる、ということ。