2017年10月4日

するすると泳いで秋のかたつむり

空港から車に乗って国道58号線を北上すると自生していない椰子が風に揺られている。どうやら万博の際に植えられたものらしいが、この島はどれほど「南の島」のイメージにこたえてきたのか。
「自画像」の描けなさは、沖縄の観光ガイドブックを捲れば、より混迷を深める。南部のページには古城や神の島、戦跡が紹介され、中部のページでは基地やアメリカンビレッジ、北部のページは豊かな大自然が掲載される。断片的かつ加工された写真と、文飾豊かに意味づけられてしまったその土地土地を見ると、どう詠んでもそう読まれる以外、思い浮かばなかったのである。