2017年10月26日

胡桃割れない涙がひかるばかりの訃

崎原風子という俳人がいる。一九三四年生まれで、没年はよくわかっていない。那覇市に生まれ、アルゼンチンに移民している。一九六三年から、「海程」に参加している。洗濯屋をしていたらしい。

暗喩がない太陽わかい父等ねむり
八月もっとはるかな8へ卵生ヒロシマ
う。夜あけ前のうすい肉親それらの離陸
つねに晴天にみがかれる料理用の卵
ふ。しあわせな幼年ねじ式の空
象1頭の心象都市や時間の鋸歯

そもそも「沖縄」を地域や風土、文化といった枠組みとして機能させることに無謀さがある。