2017年11月10日

裏側に死の色のある落椿

“Gagne la mort avec tous tes appétits, et ton égoïsme et tous les péchés capitaux.”
「死を得ることだ。あなたの欲望全てとエゴイズムと七つの大罪全てを以て」
――――アルチュール・ランボー『地獄の季節』序文より

1891年11月10日、フランスの詩人アルチュール・ランボーが亡くなった。彼はパリの詩人、ポール・ヴェルレーヌと交際していたが、決別。その際にヴェルレーヌから拳銃で腕を撃ち抜かれてしまう。彼は失意と憤りの中で散文詩『地獄の季節』を書き上げる。

落椿肉の限りを尽くしたる 曾根毅『花修』

彼は自分を呪い、地獄へ堕ちる。時に暴力的、時に哀しく彼は自分の胸の内を抉る。

告白は嘔吐の如し雪解川 北大路翼(『天の川銀河発電所』より)

自分に可能な限りの錯乱した表現、地獄を吐きだすように書き綴った彼は、少しは楽になったのだろうか。作品の後半では、自信を取り戻した彼の心情が感じられる。そののち、秋になり、冬を怖れるのも面白い。

死の死の死の向かうに日傘落ちてをり 澤田和弥(『天の川銀河発電所』より)

死の持つイメージは強い。それでも、死から見えてくる生がある。そのイメージとどう付き合うかも表現に繋がる。