2017年11月16日

重くなるまで雪まろげ雪まろげ

タイムマシンがあったらぜひ芭蕉先生の雪まろげを見に行きたい。

君火を焚けよきもの見せん雪まろげ 芭蕉

「焚け」「見せん」と相手に呼びかける、ややライトバースな雰囲気も現代的、子供らしさが出ていて面白い。
私も雪だるまを作るのが好きだ。新潟に住んでいる私は幼い頃から雪遊びが好きで、朝起きて雪が降っていると、わくわくした。早く積もらないかな、何センチくらいになったかな、と常に気にしていた。
ずむっ、ずぶっと新雪を踏みしめるあの感触、あの音も好きだ。
小学生の頃はみんなで雪合戦をしたり、校庭の一角に雪の壁を作って秘密基地を建てたりもした。
雪の積もった街路樹を蹴ると、枝から雪がバサバサと頭の上に落ちてきて、みんなで笑った。

握りたる手摺に雪のあつまりぬ 堀下翔(『天の川銀河発電所』より)

手で丸めた雪玉を雪の上に転がしていくと、雪の質さえ良ければ徐々に雪玉は大きくなっていく。
あれをずっと続けることができるなら、雪玉はどこまで大きくなっていくのだろうか。

雪達磨星座のけもの聳えけり 南十二国(『天の川銀河発電所』より)

どうしても一定の重さで自分の力では動かせなくなってしまう。
それでも無理に動かそうとして、自分の腰を痛めてしまったことが何回かある。
腰の痛みと同時に、今いる場所の寒さ、自分の年齢を思い出す瞬間である。