2017年11月23日

静かなる時の流れを焚火番

父と山仕事をした。
山の雑木をチェーンソーで伐って玉切りにしたものを、斧で割って薪を作った。

蜜蜂や夢の如くに雑木山 生駒大祐(『天の川銀河発電所』より)

薪作りをしながら、山の中で焚火をした。
火を起こすのはなかなか難しい。濡れている木はなかなか燃え上がらない。杉の葉はよく燃える。父は上手に木を組んで火を起こした。
焚火の上にやかんを置いて、お湯を沸かしてお茶を飲んだりした。

火を焚きて指さびしがる春祭 十亀わら(『天の川銀河発電所』より)

「こうしていると静かにゆっくり時間が流れるだろう?」
父は焚火を見つめながらそう言った。
他に誰も居ない山の中で、静かに火に木をくべていると、確かにそんな感じがした。

焚火番しようか生きてゐるあひだ 田中亜美(『天の川銀河発電所』より)

もう少し、時間の流れが、静かにゆっくりだったらよかった。
父と一緒に居た時間はあっと言う間だった。