2017年11月25日

ストーブの話し相手になれさうな

最近寒くなってきて、ストーブの前でぼんやりすることが多い。

ヒーターの中にくるしむ水の音 神野紗希『光まみれの蜂』

小学校のヒーターはどうもヒーターの側の席と、そうでない席とでだいぶ温度差が違う。
休み時間にはみんなでヒーターの前で肩を寄せ合って温まった。
誰の手が一番温かいか、みんなで触って比べてみたりもした。
確かに個人差があって、手の冷たい人と温かい人とがいた。
「私の手は冷たいけど、りょうちゃんの手は温かいね」なんて言ってくれた女の子もいた。
「手の冷たい人は心が温かいんだよ」なんておどけて返してみたりもしたが、ちょっとうれしかった。
言葉の温かさっていうのも、ある。

売店のストーブに寄り相識らず 大塚凱(『天の川銀河発電所』より)

ダルマストーブのような、触るとやけどするようなストーブの存在感も好きだ。

ストーブの唸りの中に投票す 西山ゆりこ(『天の川銀河発電所』より)

ストーブも様々な音を立てる。石油ストーブの石油を飲むような「ゴクンゴクン」という音、ガスストーブの動き出す際のぶるぶるしながら「ぶうぅぅん」という音、生き物のようでいとおしい。