2017年12月13日

銅に引つ掻く陰毛の線版冴ゆる

池田満寿夫といえば、その多岐に渡る活動の中でまず挙げられるのが、ドライポイントによる銅版画だろう。自由奔放に躍動する線のエロティシズム。
「線のエロティシズム」といえば、池田満寿夫とも親交の深かった澁澤龍彦が思い浮かぶ。彼の美術評論やエッセイには、描線への偏愛がみられる。ぼくが俳句の写生という技法に魅力を感じている理由の一つとして、そうした線への偏愛を見出すことができるかもしれない。