2014年8月29日

色鳥やサンピエトロの丸き屋根

メーカー :Ferrari Da Varese
名   称:Romea49, Corallo,、限定 847/2000
ペン先  :18K, M
軸など  :シルバー925、珊瑚
吸入方式 :吸入式
購入日時 :2011/6/6

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 これもスターリングシルバーの万年筆。

 以前にも書いたがフェラーリ・ダ・ヴァレーゼというイタリアのメーカーはF1で有名な自動車メーカーとは何の関係もない。本拠地のあるヴァレーゼはミラノの北、スイス国境近くの湖沼地帯に位置する。会社のHPを見るとその製品はユニークなデザインのものが多く見慣れたアウロラやデルタのペンとはかなりイメージが異なる。歴史は浅いが銀製のペンが得意らしい。

 このペンもクリップがなくキャップトップがローマのサン・ピエトロ大聖堂を模した形、天冠にサンゴのカボションが施してあるという風変わりなペンだ。容れ物自体ドームのような形で、開けるとビロードに包まれたペンが直立している。買い手のこの瞬間の驚きもデザイナーの設計には折り込み済みなのだろう。こういういたずら心はどんな分野でも失われないで欲しいもの。

 ヨーロッパでは銀製品はステイタスとして購入されると聞く。日本では手入れが大変とかアンティーク等は純銀製と銀メッキの区別がつかないといった理由であまり一般的ではない。日本のメーカーであるセーラー、プラチナ、パイロットにも純銀製の万年筆はあるけれどもどちらかと言えばマイナーな印象だ。一方でペンの一部にスターリングシルバーが使われることの多いモンテグラッパやオマスのペンには必ず銀磨きクロスが付いている。ただピカピカにしようと余りこすり過ぎると銀そのものが摩耗してしまう。燻したような外観になって味わいが増す場合もあるが黒ずみ過ぎると汚らしい。やはり銀製品はメンテナンスが大切らしい。