飛花落花地球はくす玉のかたち  工藤玲音

「飛花落花」の桜吹雪と、くす玉からワッと散りくる紙吹雪。なんだか、地球の中にも桜吹雪が詰まっていて、青い地球がパッカーンと割れたら、ピンクの花びらが、真っ暗な宇宙空間にパーッと広がるような、楽しい映像を思った。地球をくす玉に見立てた楽しい奇想が、春の弾む心を伝えてくれる。こういう、影のまったくない内容が詩になるのが、俳句の面白いところだ、とつねづね。

昨日と同じく週刊俳句2016年4月17日号 10句作品「春のワープ」より。