2016年6月4日2016年5月29日 犀がゐてはじめを曇りがちの春 青本瑞季 犀の色は、雲の色。ずしりとした犀の質感で、春はやってくる。「て」「を」「の」の飛び石を飛んでゆくような危うげな助詞はこびが、曇りがちの春の訥々とした進み具合と重なるようでもある。 「里」2015年12月号(実質2016年4月発行)より。