芝桜埴輪の馬に短き尾  黒岩徳将

芝桜の茎の短さと、埴輪の馬の尾の短さ。短いもの同士が、つんつんと空気をつっついているこそばゆさが、いかにも春らしい。
「はにわの・うまに・みじかき・お!」という言葉のリズムも弾んでいて、声に出すと気持ちいい。

「週刊俳句」477号(2016年6月12日)10句作品「耳打ち」より。