星の終はりは/風吹く/さくら/さくらかな  林桂

星の終はりは
風吹く
さくら
さくらかな

「は」と定義したことで、星が終わるときには、どの星にももれなく風が吹くのだ、という真理にかわる。
この星の終わりがあるとしたら、満開のさくらが散りやまない、しずかにかがやく風景がいい。

さくらさくら、とさくらが散るとき、どこか遠くの星の死を思い、そしてこの星の終わりも明日来るかもしれないんだなあ、と思う。

「鬣」63号(鬣の会 2017年5月刊)より。